結婚の禁止

すでにみたように、モルガンは、兄弟と姉妹の間の結婚の禁止という外婚制の芽生えをともなっていたプナルア婚家族に、氏族が発生する基盤を見いだ母権と父権華癖峠岬癖毯畭需細岬葬蛙長制という各要素をふくむ社会制度であり、父権制とは、夫方居住婚・父系制・家父長制という一連の要因から成立った社会体制を意味する。しかし普通には、母権制とは、母系制をとっている社会の秩序をいう。身分や財産が母系的に継承されると、それらの「権利」がひとえに母から与えられるので、母権という語が用いられたのだ。さて、妻方居住婚とは、すでに(三四頁)のべたように、結婚に際し夫が妻のもとに移り住む結婚で、逆に妻が夫のもとに移る嫁入婚を夫方居住婚とよぶのである。また家族内で妻と夫のいずれが権威を有しているかにより、家母長制と家母親と子供<メラネシアのトロブリアンド群島)父長制が区別されるが、妻が権威を有するといっても、あくまで相対的な意味においてであって、家父長制家族におけるように極端に蔑視されたり虐待されたりしないという位のことを示すものである。いう主でもなく、妻の地位は夫を他所から迎える妻方居住婚のもとで恵まれているが、それもあくまで家庭内の関係にとどまるものであって、社会的、政治的に女性が権威を専有するというような「女性支配」とか「女人政治制」とかいう現象は、承られない。母系制や妻方居住婚がとられる社会でも、酋長には、女性ではなくて男性がなるのである。(だが、一般的には、原始時代には、女性は男性とほぼ同等の社会的地位を有していたといえるであろう)。

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